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2004 February


2004年2月19日 転機


一昨日、知人(私にとって特別の知人である)から電話があった。「話がある」と言い、なんだか深刻そうな感じ。しかも会って話したいと言い、その翌日、つまり昨日、私の事務所に来るとまで言う。ますます深刻である。わざわざ事務所に来なくても電話でいいよって言っても「いや、会って話したいので・・・」というので、事務所に来てもらった。応接に招くと開口一番「実は転職することになりまして・・・」「えっ!」と私。30代半ばでもちろん妻子もある彼がまたどうして。。。しかもお子さんはまだ2歳半の女の子。「ずいぶん悩んだけど、妻も賛成してくれまして・・・」などなど理由を詳しく聞くことに。

彼は三重県に住まいを構え、勤務先である名古屋市中心部にある会社に勤めている。仕事の内容・会社の安定度など申し分ない。会社では、ある部署の責任者として存分に活躍しているし、会社の彼に対する評価も高い。もちろん収入も安定しているはずである。不安定極まりない私からみたら、借金が無いだけでも素晴らしい男であり、安定した社会人であり、頼りがいのある夫であるはずの彼がなぜ転職するのか?

たまたま目に入った求人募集の採用条件が良かったってこともあるであろう。正直に彼はそれを認めてはいたが、そんな好条件であるにもかかわらず、晴れ晴れとしていない彼。「なんで?いいじゃん、そんなにイイ条件なら」って思うのだが、なんとも不安そうなのである。

ランチを一緒に取り、語りながら、その理由がわかった。彼の思考のプロセスはたぶん・・・「今の会社は確かに安定している。でもこれ以上己の立場が上がるとは考え難い。何事も無く安定していることに不満は無い。まして出世欲に駆られているわけではない。家族も不満はないだろう。でも俺は、パパはこうなんだ!という姿を見せてみたい。一攫千金なんてとんでもない。お金も大切だけど、そうじゃないんだ。君たちを不幸にすることは絶対に避けてみせる。しばらくは心配をかけるかもしれないけど、その分、パパは男として一回り大きく成長してみせるからね」ってことではなかろうか。

私の場合、家族の了承なく勝手に振舞ったためにとんでもない事態に陥ったが、彼は家族の理解を得ている。だからこそプレッシャーであるのだ。ここがポイントである。彼が感じるプレッシャーや不安は実は「思慮」なのである。かつて私は不安を感じること無くつっ走った。これを何と言うか、ズバリ「無謀」というのである。「思慮」あるところに「不安」はあるが「失敗」は無いと思う。「思慮」というものは、いかに己を消すかということであり、「無謀」とは己が主語になることである。結果は言うまでも無いであろう。

私は彼に言いたい。「思慮」に満ちたあなたの決断は間違いないと。確かに不安でしょう。でも、おおいにその不安を感じればイイと思う。決断した今でもあえてその不安を大切にしなさいと言いたい。自分を見つめるチャンスは何度でもあるけれど、自分を三人称つまり誰かの主語として見つめる機会ってそんなにはない。今感じてる不安そのものがそのチャンスであり、あなたを主語としてとらえている(期待に満ちた!)第三者もあなたの「思慮」があるからこそバックアップ体制がとれるのである。

あなたは、そんな所に自分がいることを知っていないかもしれない。しかしその入り口に立ってしまった。それはあなたが選んだことである。しかも次の一歩を踏み出そうとしている。もう後戻りはできない。ならば、この決断を決して忘れないで前へ進むしかない。大丈夫「不安」即ち「思慮」があなたにはある。

「ミスターブルーライオン松谷さん」、私のRC復活を共に祝って頂きたかったけど、それは「言わぬが花」ってことかな。あなたの新しい一歩を心から応援します!
 
富士カメラ5


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